幻の急行用気動車

急行形気動車と言えば、キハ28・58と言われるほど多数製造され、かつ活躍した気動車でした。

昭和44年から急行気動車の冷房化推進のための電源車を確保するため、キハ91で開発されたDML30HS機関を用いたキハ65が製造されました、その後昭和50年3月には試験的に将来の急行にも使える汎用気動車としてキハ66・67が試作されますが、重量が重くローカル線への入線が困難なことや、国鉄の財政が急速に悪化したこともあり、普通列車用には冷房装置を省略してエンジンもDMF15HS系エンジンの出力をダウンさせて冗長性を持たせたキハ40系列【キハ47・40】が誕生しました。

国鉄形最後の急行気動車キハ65
画像 Wikipedia 急行用気動車の最後の新製車となったキハ65

その後、キハ28・58の老朽化置き換え対策として、新型急行気動車が再び計画されたそうです。

それが、下図に示す新型急行気動車のイメージとなります。

現在の技術であればコルゲート板は要らないのですが、当時の設計ですのでボディ全体にコルゲートが巻かれています。

交通技術、昭和56(1981)年8月号に掲載されていた記事で、内容は以下に列記してみたいと思います。

 

幻急行気動車
昭和56年頃、キハ28・58の置換え用として構想された新形気動車

ステンレスボディとしたのは、純粋に軽量化が目的のようで、昭和48年以降の石油ショックなどで燃料費が高騰したこともあり、更なる軽量化と、軽量エンジン(DML30H系ではなく、小型化したDMF15H系エンジンを高出力化)等により今後予測されるキハ28・58の大量置換えするための車両としたいと書かれています。

当時の冊子からの抜粋ですが、下記のように車体は軽量ステンレス若しくはアルミかなどで車両の軽量化を図るか、20m車体に拘らないとしています。

JR四国に投入された、キハ32などは、車両の小型化で対応した例になります。

さて、そこで国鉄の新型急行気動車は、キハ28・58を取り替えるための気動車として計画したいと書かれており、その基本方針は

今後のディーゼル急行車両は、特急列車の走らない非電化支線区における優等列車用を中心として、相当両数のニーズが見込まれるとして、

  1. 省エネルギー化
  2. 省力化
  3. 製作コストの低減
  4. 台車走行性能向上
  5. アコモの近代化

を基本的な考え方で開発していきたい。

と書かれていました、実際には急行列車は特急列車に一本化【運賃収入を上げることを主たる目的としたもので、急行は原則として今後は設定せず、特急若しくは快速に分化させる方向で進むことになりました。

本社旅客局からの要請が大きかったと言われております、結局急行用気動車は新製せず、更新修繕程度で留め、特急に格上げするか利用率が悪い場合は車両はそのままで快速化することになりました。

 

なお、車両自体は幻に終わってしまいましたが、当時の資料を見ますと下記のような諸元を考えていたようです。

  1. 軽量ステンレスで1両当たり2.5〜3.5tの軽量化が可能。
  2. 新系列のDMF15系の直噴化等による省エネルギー化と出力向上(330PS)により、機関自体の軽量化
  3. 1軸駆動方式による台車の軽量化

これらにより、省エネルギー化および保守費の縮減、製作コストの低減をねらっていきたい。

とされています。

さらに、台車のばね下重量を極力軽くし、走行特性を確保するとともに、軌道に与える車両の影響を少なくする台車構造としたいと書かれており、当時の国鉄ではローカル線への軌道保守は極限まで放置してい蛸とが窺えます。

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